2022年3月20日。
この日ツイッター内で幾度となく繰り返されながらもやや停滞感のあった婚活デートにおける奢り奢られ問題に新たな進展があった。
今回の震源となったツイートはこちらである。
どんなに優しくされても、割り勘にされた瞬間全てが冷めてしまうw
結婚記念日にレストラン予約してくれてすごく楽しくて良い時間だったのに、お会計の時請求された瞬間全部が台無しになったこともあったな…彼としては2人の記念日だから、2人で出し合うつもりだったらしいけど、そうじゃないんだよ…泣— まい♡31歳新婚 (@japanesegirl098) March 20, 2022
この記事ではこのツイートから得られる重要な示唆に基づいて結婚相手選びにおける価値観の一致の重要性を解説したい。
結婚後も奢り奢られにこだわる女性がいる衝撃
このツイートはエポックメイキングである。
なぜなら彼女のツイートによって奢られ婚活女子は結婚後も「奢り奢られで夫を評価する」ということが判明したからだ。
これまでの奢り奢られ論は
- 初デートくらい男らしいところ見せて欲しい
- 奢られないと奢る価値がない女だと思わてしまう
- 婚活での出会いは男女平等の立場だから割り勘にするべき
- 二度と合わない相手には割り勘にするようにする
- 借りをつくりたくないから割り勘にする
はあくまで婚活で初対面〜交際までの期間に焦点をあてていたものであった。
あくまで奢られ派の女性は男性の本気度を図る指標になる、大事にされていると感じると主張し、割り勘派の男性は男女平等なんだから割り勘は当然だよねと主張する。
今回明確になったのは奢られ婚活女子とは一般的な女性の言う男性から奢ってもらえたら嬉しいと感じるとは別の次元に生きているということである。
多くの婚活女子が初デートでは奢ってもらえたら嬉しいの意味は
- 初デートくらい男らしいところ見せて欲しい
という男らしさやリードする力への期待や、
- 奢られないと奢る価値がない女だと思わてしまう
男性の本気度をはかるための指標として使う文脈で語られることが殆どであった。
しかし今回わかったことは奢り奢られをツイートするくらい拘る女性は、結婚しても生計をともにしてもなおこだわり続けるということだ。
価値観が違いすぎる夫婦はしんどい
このツイートの内容を詳しく見ていこう。二人の主張はこうだ。
夫:2人の記念日だから、2人で出し合うつもりだった
妻:どんなに優しくされても、割り勘にされた瞬間全てが冷めてしまうw
夫は夫婦で二人の記念日だから家計から出す。という考えであるのに対して、妻は記念日なのだから夫がスマートに出して欲しいと主張している。
夫のほうが記念日を家族としての行事と捉えて、妻は男女の恋愛の延長の行事として捉えている。
二人の記念日で他人ではない生計をともにする家族なんだから奢り奢られとかじゃないよねと考える夫と、記念日は女性を喜ばせて欲しいと考える妻。
夫婦のあり方は様々なのでどちらが正しい・間違っているという話ではない。
これは宗教観の違いだ。
牛肉と豚肉のどちらを食べてはいけないのかについて正解はないし、そもそもどっちもOKという人もいる。
しかし価値観が異なる男女になると当然宗教論争が発生することになる。
それに対する対処法の1つはお互いのルールを決めておくことであろう。
例えば今回の場合、記念日では夫からご馳走すると予め決めとけば問題ない。
しかしこのような根本的なお金の使い方などを含めて自分が大切にしている価値観に違いがあるとルールを無限に増やしていくことになる。
なぜなら性悪説でものごとを決めていなければならなくなるからである。
会社組織を例に考えてみよう。
夫婦とは組織の最小単位でもあるのだから参考になるはずだ。
大企業の細かいルールは性悪説に基づいている。
大きな企業になれば不正をする人が必ずでてくる、だからルールで縛る。ルールで縛る組織はルールがなければ破るという性悪説的な考え方に基づいていると言える。
反対に性善説的な組織はルールを最小化する。相互の高い信頼のもとにルールを最小化して個々人が自立的に判断していく。
しかしその仕組みがワークするにはビジョンやミッションを含め組織内での高い共通認識と理解が求められる。つまりお互いが同じ方向性と価値観を共有していることが必要になる。
価値観が共有できていれば、いちいち組織に確認しなくても、価値観に基づいた判断をすれば正しい行動がとれることになる。
夫婦も同じである。
価値観が一致していれば一致しているほど、約束事は少なくてすむ。自分が当たり前のように行う行動が相手にとっても自然であるからだ。
反対に価値観の一致度が低ければ、やることなすことが相手にとって不快になる。だから価値観がどれくらい一致しているかは円満な夫婦にとって最重要事項の1つである。
そうは言っても価値観の一致が大事といっても全てが一致する人はいない。だからどんな価値観を一致させるかが大切になる。
どの価値観を一致させるかが大切
価値観の一致を考えるときに全ての価値観があう人を探そうとしていはいけない。
そんな人は存在しないからだ。
次善としてなるべく価値観が一致する人を探そうとする事が多い。
しかしここで間違えてはいけないことは、自分とって大事な価値観を一致させることだ。
あなたがきのこ山派で相手がたけのこの里派だったとしても別に離婚になることも揉めることもないだろう。
それはお互いにその価値観が家庭を運営する上でたいして重要ではないからだ。
世の中にはきのこ派とたけのこ派同士でも結婚してるし、あとから派閥が違うことが判明したことが原因で破局したという話は聞いたこともない。
今は亡き、すぎのこ村派はパートナーが見つけづらく、生涯未婚率が高いなんてデータもない。
自分にとって大切でないことの価値観は一致しようがしまいがどうでもよいのである。
なぜなら相手に合わせることができるからだ。
しかし今回の結婚記念日が奢りか割り勘であるかについては、少なくともツイート主の女性にとってはかなり重要視する価値観であったと思われる。
大した価値を置いていないのであれば割り勘をされたとしても
「うちの夫って記念日まで割り勘なの。徹底してるわ笑」
くらいのノリで価値観の違いを自分とは別の生物をおもしろおかしくみるくらいの温度感で語るはずだからである。
彼女にとって奢られの価値観は大切な価値観であった。
それならばやはりこの点に関しては奢ってくれる男性、割り勘は派だけも女性を振り向かせるために奢る男性ではなく、女性に奢ることが当たり前と思っている価値観の男性と結婚したほうが良かったのだ。
ただしこれをもって彼女が結婚相手選びに失敗したと考えるのは早計である点は申し添えておきたい。数ある大事な価値観が全て合うというのもまた難しいのが現実である。
他の重要な価値感が一致しているのであれば、許容できる範囲で自分が重視する価値観の一部を妥協することもまた大切だからである。
自分は何に価値を感じて、何は許容できて、何は許容できないのか。それを自己認識して結婚相手を選ぶことが大切になる。
これが今回の記事で一番言いたかったことだ。
また、奢り奢られ論争については一つの結論が出たとも思う。
それは奢り奢られ・割り勘派どちらも拘る人は結婚しても変わらず面倒な人たちなので、特にこだわりをもたない普通の人はそもそもそういう人たちをわざわざ結婚相手に選ばないほうがいいことである。